2011年12月20日火曜日

『タオのプーさん』からの引用

世の事なかれ主義のペシミストたちは、なんであれたいしたことは絶対やりとげない。なぜなら、状況をはっきりと客観的な目で見ることがなく、自分の能力を認めも信じもせず、たとえわずかな危険でも、それを克服するために自分の能力をせいいっぱい発揮しようというところもないからだ。たとえば、かの有名なノース・ポール(北極)発見の探検中、ルーが小川に落ちたとき、陰気なイーヨーはどういう手を打ったか?ルーが流れに運ばれてだいぶたってから、気のないやり方でしっぽを水の上にたらし、ルーがつかんでよじのぼれるようにした─というより、もっと正確にいうなら、イーヨーだってなにもしなかったわけじゃあない、とみんなにいってもらえるようにした。もちろん自分でも、本気でそれがなにかの足しになるとは思っていなかったし、もちろんなんの足しにもならなかった。

これを読んでハッと気が付かない人は、よほど人間が出来ているか、そうでなければ救えないぐらい鈍感なのだろう。

タオのプーさん
タオのプーさん
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